2013年 08月 05日
「ぶらり おっさん3人旅」に持っていったレンズは「Summar 5cm f2」と「NOKTON 35mm F1.4 SC」。いずれも僕がLeicaでよく使っているレンズです。前にも触れたかも知れませんが、Summarの方はいわゆる「山崎ズマール」と呼ばれているもので、「山崎光学写真レンズ研究所」の山崎和夫さんに磨いてもらっているものです。 この2本のレンズ、当Blogのアクセス解析(キーワード別)でも常に上位のキーワードになっています。現行の純正レンズに比べるとかなり安価に入手出来るけれど、果たしてその性能は?・・・・そんな興味を持っている人が多いのかもしれません。 カメラやレンズのレビューはこのBlogの本旨ではないけれど、今回は特別に「Summar 5cm f2」を取り上げてみたいと思います。あくまで極個人的な雑感程度に受け止めて頂き、参考にしてもらえれば嬉しいです。 ・・・・・・・ ひとことで言うと「Summar 5cm f2」というレンズは2つの顔を持つレンズです。開放での描写とF4以降まで絞って使った時の描写で性格が豹変します。これは各所で語られているとおり。 開放でのボケは遠景ではさほど目立ちませんが、近接ではいわゆるグルグルボケで、これを「味」と見るか「暴れ」と見るかで評価は変わってくると思います。近接でのまろやかなボケを好む人から見ると、全く評価に値しないレンズ、となってしまうかもしれません。上の写真はモノクロ化しているので多少ボケの暴れは目立たなくなっていますが、お世辞にも「まろやか」なボケとは言えないですよね。 一方、F4.5を越えた辺りからは描写ががらりと変わります。現行のアスフェリカルレンズなどと比べると勿論描写は甘めなのですが、それでも中々のきりっとした画になります。開放近接でグルグルボケ、ちょっと絞ってキリっていう性格は「Summarit 5cm f1.5」やシネレンズの「Cooke Kinic 1inch f1.5」と良く似ています。いずれも僕の好きなレンズなので、こういう傾向が僕の好みなのかもしれません。 オールドレンズの柔らかさを損なわないよう、コントラストは弄っていませんが、その代わり黒レベルを少し調節して写真に締まりを持たせてみました。 色については、カラーフィルムを意識して製造されたレンズではないため、デジタルMを使った場合でもフィルムMを使った場合でもカラーでは多少転びがあります。これは仕方ないですね。少し条件が悪くなると色合わせはとてもシビアになります。撮影時または撮影後にホワイトバランス(WB)を調整する必要が生じます。基本的にはモノクロを前提に使ってあげたいレンズですね。ただし、良条件下での撮影ではさほど色の転びも気にはなりません。 こうしたシチュエーションでのボケは幾分まろやかになります。屋内ですが、自然光が入りこんでいるのでWBもオートでOK。陶器の質感、立体感・・・・なかなか良いと思いませんか? これがSummar 5cm f2の本当の実力なのだと思います。広く知られているところですが、Summarの前玉にはとても柔らかいガラス素材が使われており、大抵の固体は拭きキズだらけ。それが故でボケ玉と評価されてきました(研磨前の僕のレンズもそうでした)。 レンズの研磨に否定的なマエストロ達もたくさんいらっしゃいますが、キズだらけのオリジナルにこだわるよりは、研磨してクリアにするほうが僕は絶対良いと思います。もしオリジナルの状態でキズのない固体があれば、勿論研磨はしないですけれどね。 ・・・・・・・ 当Blogとしては、異例に長文の記事になってしまいましたが、いかがだったでしょうか。かなり疲れますねー(笑) なかなか平日に時間がとれないので日曜日に執筆しています(予約投稿です)。時々ならこういうのも良いかも。ただし興味のない人には全くつまらない記事になってしまいそうですが・・・・(汗) 次回からは通常営業に戻ります。「ぶらり おっさん3人旅」もいよいよ佳境に。引き続きお楽しみくださいませ。
by photonine
| 2013-08-05 00:00
| Color & Monochrome
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