2018年 01月 21日
勿論、実際にはそんなことはないと思うのですが「故障があと少し早ければ保証期間内だったのにぃ・・・・」なんて苦い経験をお持ちの方は少なくないのではないでしょうか。 2017年は僕の周りから色々なものが立ち去り、あるいは立ち去ろうとした年でした。それらの中にはポジティブに捉えられる別離(例えば、部下が自分の夢に向かって新しい世界に羽ばたいていった等)も含まれているのですが、押し並べて言えば概ね僕にとっては痛手と言える出来事が多かったです。特に家電製品や電子製品の頻繁な故障には辟易させられました。このBlogでも触れたとおり画像データを一括して保存していた大事な大事な外付けハードディスクがクラッシュしたり、洗濯機、冷蔵庫、ルンバ(みなさんご存知のお掃除ロボットです)、お気に入りのトースター等々が次々に故障しました。 自分にとって不可欠なものやお気に入りのものが失われるというのは、本当に精神的ダメージが大きいです。電化製品以外にもお気に入りの靴の革を自分の不注意から裂いてしまったり、もう2度と手に入れられないような貴重な洋服のボタンをどこかに落としてしまったり(知らぬ間に糸がほつれていた)なんてこともありました。日頃から自分が注意していれば回避できたことだろ、なんて見方もできますが、でもそんなに立て続けに色々なことが起こらなくてもいいじゃないかと思えるくらい、こうした状況が続きました。正直不気味に思えるくらいに。だからね、11月にLeica銀座店にM9-Pのセンサークリーニングをお願いしに行った時も、嫌な予感はしていたんです。おそらくそうなんだろうな、と。 11月の山梨旅行の写真を整理しているとき、ある事に気が付きました。開放付近では気が付かないレベルなのですが、少し絞り込んだ写真には同じ場所にごみのような影が写っているんです。レンズにごみが付着していたことが理由ではないことは容易に想像できました。だって異なるレンズで同じ場所にその影は写っていたから。「そういえばしばらくセンサークリーニング出していないな」なんて最初は悠長に考えていたのですが、しばらくして「まさか・・・・」と思い始めました。そのまさかとはM9及びM9-Pのセンサー剥離問題です。 Leica M9系をお使いでない方には何のことやらチンプンカンプンだと思いますが、もうずいぶん前からM9系にはCCDセンサーのコーティング層が剥離する事象が多発していました。Leicaもこの事象のことは認識していて、ちょっと前までは非公式ですが無期限サポート(その事象が起きたときはセンサーを無償交換する)を公言していました。しかしLeicaは昨年正式にセンサー無償交換を2017年8月15日受付分までとすると発表しました。 僕も「念のため」という気持ちでいたので、一度確認してもらおうと思っていたのですが、仕事が忙しすぎて結局期限までには銀座に行くことができず、その機を逸してしまいました。ただその時点では僕のM9-Pには目に見える形で症状が起こっていなかったので「僕のM9-Pは大丈夫な個体なんだろう」なんて能天気に考えていました。そしてその期限から3か月経って僕のM9-Pはこの病を発病しました。 時すでに遅し。「いや、それはお気の毒でしたね。いいですよ、特別にサービスで無償交換させてもらいます」なんて言ってもらえるんじゃないか・・・・そんな淡い期待もありましたが、勿論そんな都合の良いことは起こらず・・・・しっかり有償修理の説明を受けました。Leicaジャパン公式ホームページでは「お使いのカメラの機能を維持するために、98,604円(税込)のオーバーホール作業と併せてセンサーを交換させていただきます。」と記載がありますが、この「併せてセンサーを交換」の部分にも実費がかかります(つまり98,604円はオーバーホール料金のみで、センサー実費を含むものではないということらしい)。じゃあ一体いくらかかるのかといえば総額で12万4千円ほどかかるそうです。 修理するのかって? そりゃ勿論します。Leicaの店員さんにはM(Typ240)やM-P、Mモノクローム(Typ246)、M-Aへのアップグレードメニューも提示されましたが、既に僕にとってM9-Pは思い出深いカメラとなっているし、その写りもかなり気に入っています。今も、そしてこれから先も手放すつもりはありません。 センサー交換修理についてはいつになるか予想もつかない(無償交換の受注が多く部品の調達に時間がかかる)状況。まあ、それまではM9-Pで撮った写真はPSのスタンプツールで修正が必須となりますが、それもしょうがないな。冒頭のSONYタイマーの話ではないけれど、もう少し、あと半年早く症状が起きていれば・・・・と泣き言をいいたくなりますが、それが僕のM9-Pの定めだったのでしょう。 そういえばこの一件のあと、それまで何をやっても上手くいかない、立て続けに何かが失われていくことに対して抗いようのない流れ、言い換えれば漠然と感じていた不吉な靄のようなものが晴れたような、そんな感覚があることに気づかされました。これで最後、と厄払い出来たのでしょうか。そうならいいなぁ。 さて、これだけ思い入れのあるM9-Pですが、その座を脅かしかねない新しいカメラを実は年末手に入れました。仕事のストレスも大きかったし、本当に疲弊した1年間でしたが、何とかそれを乗り切った自分へのクリスマスプレゼントです。まだ使っていないので、そのカメラのお話は、また次回以降に・・・・。
by photonine
| 2018-01-21 17:55
| Monochrome
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Comments(4)
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peasantry at 2018-01-22 07:22
それは残念なことでしたね。
ぼくもM7を修理に出したら、保証期間過ぎてて、ドイツへ送りますとか言われて20万ほどかかりました。泣く泣く修理しましたが・・ SONYは三度やられてます・・(>_<)
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hasseleica at 2018-01-22 07:31
とてもお気の毒です...
私もM9を使っていましたが、この問題発覚してすぐに持込調査依頼した結果「異常なし」。では、 この先発症したら無償交換可能か?と聞いたら「不可」!とても気に入ってたのですが、即刻手放しました。メーカーとして発症の可能性が少しでもあるなら全量交換すべきでは?と詰め寄りましたが(*^^*) 車のリコールと違い、命に関わることでもないのでそれ以上は諦めましたけど(笑) 余談ですが、M9のモニター不調時には保証期間切れにも関わらず無償交換してくれました。
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photonine at 2018-01-23 12:16
>casさん
今回はドイツ送りにはならない?みたいです。 考え方によってはフィルムカメラも定期的なオーバーホールが必要だし、デジタルだから金食い虫とは一概には言えないですよね。 今回はオーバーホール前提でのセンサー交換だし、まあしっかり調整されるのだったらいいか、と前向きに捉える事にしました。 (そうは言いながらも今回の出費は痛いです 笑)
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photonine at 2018-01-23 12:27
>YOUさん
僕自身は発症の時期に限らず交換対応してくれると聞いていました。この問題が顕在化してから時間が経過するに連れて、Leicaもその時々によって言っていることが変わっていたようです。でもまあ未来永劫対応しますというのは現実的ではないので、仕方ないのでしょうね。それならもう少し期間を長くして、全機対応して欲しかったとも思いますが・・・・。まあしょうがないです。前向きに考える事にします。
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